違いは、科学的根拠と熊本唯一の専門性

第8回運動効率と健康(痛みシリーズ)

いつもブログをみて頂きありがとうございます。

痛みと身体の不調が専門であり理学療法士による科学的根拠に基づいたコンディショニングを行なっているLIGHT SWELLです。

現在、9回にわたり痛みについてブログを投稿しており、その8回目となります。

様々な方からブログのことを触れて頂き本当にありがとうございます。感謝しかないです。

さて、8回目となる今回のテーマは、運動効率と健康についてです。

運動効率が高い人は寿命が長い

イギリスの研究になるのですが、基礎体力の低下を予防すれば、長生きできる可能性があるという実に興味深い報告が発表されました。ロンドン大学の加齢・長寿学の研究チームによれば、握力・歩く速さ・椅子から立ち上がる時間、開眼での片足立ちをできる時間の、この4つの身体能力が高いほど長生きできるということでした。

さらに、ノルウェーの研究チームの報告では、運動習慣のある高齢者は、運動の強度に関わらず、運動習慣のないグループと比べて、死亡リスクが40%低下する事が示されたそうです。

これまで、漠然と誰もが、運動することはきっと健康に良いだろうと推測していたことが、大規模な調査で実証されたということです。

このように運動することや運動能力は、人にとって大切なものなんです。

でも、あなたの周りに「運動していたのに、急に姿を見なくなった」とか「毎日、歩かれていたのに、入院されたみたい」といった人が少なからずいるはずです。健康のために運動する事が大事とわかっていても、運動を続けるための長持ちする身体である事が大事とわかっている人は少なく、健康のためにと思い急に運動することで身体を壊してしまい、不調となる方は大勢います

なので、ここで言われている健康に大事な能力は、年を重ねても健康的に生きていくために、効率よく身体を使って生活の質を向上させる為の運動をする能力なのだと捉える事が大切です。つまり、運動を続けるために長持ちする身体つまり運動効率が高い身体です。決して、何キロも走ったり、スポーツで競い合うような能力のことではありません。

例えば、身体の使い方が間違った状態や崩れた状態で運動を非効率に行った場合、前回お伝えしたように腹圧が下がってしまい、アウターマッスルが強制的に使用され筋トレで鍛えるような身体の外側の筋肉を動員し効率の悪い運動を行なっている状態となってしまいます。

アウターマッスルは疲れやすい筋肉なので、同じ運動を行なっていても身体の疲労度は高まってしまい、全身を包む膜組織は硬くなり、血流だって悪くなります。そうなれば、脳の方にも血流がうまく届かなくなり、別の大きな病気を発症させる原因になりかねません。

また、健康のためにリーズナブルで通いやすい全国展開のスポーツクラブへ通う方が多くなってきています。私は、本当にそれでいいのですか?と問い直したいと思っています。

仲の良いお友達と会って話して、一緒に運動する。楽しく続ける為のモチベーションにはなりますが、スポーツクラブで行うマシントレーニングでは、身体の外側の筋肉ばかりが鍛えられるものが多く、本来の運動効率の良い身体の使い方からは、遠ざかるようなトレーニングをしている場面をよくみます。また、マシントレーニングでの事故も多く発生しているのは、アウターマッスルの過剰活動によるものによる全身的な柔軟性や弾性の低下も影響しているのではないかと考えています。身体の内側にあり効率良く身体を動かしてくれるインナーマッスルに着目することで効率よく運動ができるようになります。

スポーツでも大事なのは運動効率

実際にスポーツを行なっている人の立場で考えてみると、運動効率を高めるためには、筋肉トレーニングいわゆる筋トレをするのが一番の近道だと考えられてきました。なので、監督やコーチからとにかく筋トレをして、しっかりとした筋肉をつけましょうと指導を受けます。

しかし、よく考えてみるとスポーツを上手に行なうために大切なのは、適切な瞬間に、身体を俊敏に動かせることではないでしょうか。野球でもサッカーでも、テニスやバスケットだってそうですよね。ベースとしての適度な筋力を備えた上で、球がきたらベストなタイミングで打つ。ゴールの的確な場所を狙ってシュートを打つ。豪速球をラケットにジャストミートさせて打ち返す。つまり、速さとタイミング。反応する手足の俊敏さが、鍵を握っています。

プロ野球を例に考えてみます。150キロの球がピッチャーからキャッチャーミットへ届くまでに、実に0.4秒くらいしかないと言われています。その0.4秒という速さにいかに手足を対応させていくかのか。まずは、バッドに球を当てる事が第一目的になります。そして、0.4秒の速さの球をバッドで打つためには、体幹がしっかりしていないと降り遅れてしまい速さに対応する事ができません。そうなると身体の外側の筋肉であるアウターマッスルを鍛えることよりも、まず体幹である腹圧をしっかり高めておくことが重要となります。それは腹圧が低いと、身体の軸がブレるからです。私の経験から、筋トレをしてムキムキの身体をされていても、腹圧が低く動作の安定性が低い方は多くいらっしゃいます。

つまり、スポーツを行い一流選手になるためには、筋トレではなく、腹圧がアップするようなトレーニングを取り入れることで、運動パフォーマンスが上がります。野球を例にあげましたが、ゴルフもそうですよね。飛距離を出すためには、打つタイミングと遠心力をうまく活用する事が上達の決め手となります。そのために、身体の軸をしっかりすることが大事と言われますが、遠心力を使うスポーツでは意識的に体幹を安定させることは困難です。しかし、腹圧が高いと体幹が安定し飛距離が伸びて、程よく力が抜けて打つタイミングが良くなります。LIGHT SWELLは、痛みの改善や予防だけでなく、スポーツに取り組まれている方のケガ予防やパフォーマンスアップも積極的に行なっています。ぜひご相談ください。

運動効率と健康

筋トレであるアウターマッスルを鍛えることよりも、運動効率を高める為のインナーマッスルの活動性を高める重要性について述べてきました。もちろん、筋トレが大事とテレビやメディアなどでも伝えられているので、なかなか受け入れる事が難しい事もあると思いますが、実際に一流のスポーツ選手や健康的に長生きをされている方は筋トレよりも運動効率を高めるような運動をされていると思いませんか。むしろ筋トレを中心に行なっている方はケガが多いと思いませんか。大事なのは、腹圧を高めるインナーマッスルを高めるつつ、全身を包む膜組織の柔軟性や弾性を保つ事が運動効率を高め、健康や健康寿命の延伸につながります。

実は、運動効率を高め動き続けることで精神的な活動性も高まります。

LIGHT SWELLに来られる方で、これまで痛みで動くことができず、行きたいところにも行けなかった。あるいは、膝が痛かったり身体のあちこちが痛んで、外に出たいという気持ち自体がなくなってしまった、生きている楽しさを実感する事もできなくなってしまった気がすると訴えられる方もいます。

そんな身体の痛みとともに、重苦しい気分を抱えていたクライアントの方たちが、腹圧を上昇させて、身体の柔軟性や弾性を手に入れることで自分に少しずつ自信を持ち始めることを経験します。その変化を受けて、行動が変わり実際に身体を動かすことで、さらにメンタルの状態も向上します。

まとめ

今回は、運動効率と健康についてブログを投稿させていただきました。筋トレが健康への近道と思われていますが、実際には違います。それに、筋肉はそう簡単にはつきません。腹圧が高く、全身の膜組織が適切や柔軟性や弾性がある状態で、運動効率を高め、どんどん活動的になる事が未来でもあなたらしいライフスタイルを手に入れるために必要な事なのです。

次回は、痛みシリーズ終回となりますが間違いだらけの健康神話について投稿させていただきます。

ありがとうございました。

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