違いは、科学的根拠と熊本唯一の専門性

第5回腹圧の効果について(痛みシリーズ)

いつもLIGHT SWELLのブログを見て頂きありがとうございます。

痛みについて9回にわたりブログを書く「痛みシリーズ」。その折り返し地点でもある5回目のブログになります。

第4回ではカラダの調子とリズムの関係について投稿させて頂きました。特に、膜組織の柔軟性が良好であり、動きに弾性があり、身体のリズムが整っていることで、腹圧が高く体幹が安定し痛みなく怪我をしにくい。そして運動パフォーマンスが高まることをお伝えしました。

このブログではさらに腹圧について掘り下げていきたいと思います。

皆さんはこれまで、腹圧というものを気にしたことはありますか?

きっと気にされたことがない方の方が多いと思います。ところが、腹圧はとても重要な役割を担っています。

色々と健康情報を聞かれ、体幹の重要性等理解されている方も多いと思います。しかし、間違った情報も多いので、一つ誤解されないようにお伝えします。体幹の安定性を高める腹圧ですが、横隔膜や腹横筋、骨盤底筋群などの一つ一つの筋を指すわけではありません。これらの筋が作る腹腔内圧が腹圧であり、この腹圧が体幹を支えます。産後ケアなどで、骨盤底筋が大事等の話をよく聞かれますが、単独で鍛えることは不可能です。筋の共同的な働きによって身体を支え動作を安定させてくれることが大事だということをご注意ください。

それでは、5つの腹圧の特徴をお伝えします。

身体を支えているのは、実は骨格と腹圧

私たちの体は、骨と全身を包むウェットスーツのような膜組織で支えられて形づくられていますが、胃や腸などの大切な臓器が入っている腹部に骨格はありません。横隔膜と骨盤底筋、腹横筋で囲まれています。

それらの臓器は一つ一つが膜組織におおわれており、腹部を包む膜組織である腹膜とつながって風船のように腹部全体(腹腔)を包んでいます。そして、その中にある内臓を守っているのが、腹膜をパンッと膨らませている腹圧です。ちなみに、腹圧の状態は自分ではあまり意識できません。

②腹圧は痛みを感じた時の記憶で下がることがある

記憶で腹圧が上下すると聞くと、「え!?なにそれ」となりそうですが、安心してください。科学的に説明ができます。

内臓を守っている大切な腹圧ですが、1日を通して若干ですが、圧が上下する場合があると言われています。例えば、腹圧は痛みなどの不快な刺激で、急に下がってしまいます。

これは、記憶や学習を司っている脳の前頭前野腹圧を司る運動前野がつながっている為に起こる現象です。なので「痛みを感じた時の記憶」が腹圧を下げる場合があったり、逆に良いイメージで腹圧を高めることもあると言われています。

③腹圧が落ちやすい生活習慣

記憶やイメージだけでも圧が下がってしまうデリケートな腹圧ですが、私たちの日常生活の生活習慣でも知らずに腹圧を落としてしまうことがあります。前回のブログでもお伝えしたように、全身を膜組織が覆ってますがその膜組織には感覚を脳へ伝えるセンサーが点在しています。身体にとって悪い刺激はそのまま悪い情報として脳へ伝えられ、腹圧を下げてしまいまいます。以下に一部ですが例をあげます。

・デスクワークのようにじっと座ったまま作業を行っている時

・スマホの画面をずっとのぞきこんでいる状態

・合わない靴を履き、足の構造が崩れてしまった時(動画を出していますのでぜひご覧ください。)

・強いマッサージや変な整体での調整を行ったとき

・ボディースーツを着るように体を締め付けている時

・指先での作業である編み物などを行なっている時

・女性の長い髪を強く引っ張り、まとめ髪にしている時(髪の毛の流れに逆らうような刺激は腹圧を下げます)

動きを止めるような静的な活動であったり、不快や悪い刺激は明らかに腹圧を下げます。また、身体の本来の形から逆らうようなものも腹圧を下げてしまいます。

④腹圧が下がると膜組織が硬くなって痛くなる

腹圧が下がることで、大切な臓器を包んでいるパンッと膨らんだ袋(膜組織)がシュンと萎んでしまったら、何が起こると想いますか?臓器を包み込んで、膨らんだ圧で守っている腹圧が萎むことで、中の臓器が圧迫され内臓の働きが低下します。もちろん、その周囲の血管や神経も圧迫される為に血流が悪くなり、さまざまな悪影響がおよび体調不良をまねきます。

年を重ねてくると、背中が曲がり極端な猫背になっている方もいらっしゃいます。背中が曲がってしまうのも、第2の骨格と呼ばれる腹圧が低下していることが大きく関係していると考えられます。さらに腹圧が下がると身体の内側の筋肉であるインナーマッスルが働かず、自然と身体の外側の筋肉であるアウターマッスルが動員されて、頑張って身体を支えようとする機能が働きます。筋トレで鍛えているようなアウターマッスルは大きな力を発揮しますが、その分とても疲労しやすい筋肉であるという特性を持っています。そのため、身体が疲れやすくなり、その影響によりさらに膜組織を硬くしてしまう要因になってしまいます。

⑤肩こりや首の痛みは、腹圧の低下でも発生する

例えば、肩こりや首の痛みは腹圧の低下からでも起こります。

腹圧が下がったことで、身体が自然にアウターマッスルを動員させ、そのことで膜組織が硬くなります。もちろん膜組織は全身を包んでいるので、肩や首の筋肉を包んでいる膜組織も当然硬くなります。そうなることで、層をなしてミルフィーユのように重なりあっている筋とそれを包む膜組織の滑りが悪くなってしまい、柔軟性が低下します。それまで、滑らかに層間をすべっていた筋肉と膜組織が硬くなることで、それぞれが引っ張られてしまい痛みが生じ肩こりや首の痛みが起こってしまいます。

③の腹圧を下げる生活習慣でもお伝えしましたが、靴の問題や扁平足の問題により足の構造が崩れ腹圧を下げて、肩や首の痛みにつながることもあります。つまり、肩が痛いからといって肩を中心にコンディショニングを行なっても痛みがとれないということもよくあります。様々な視点から痛みを調整する必要がありますし、科学的根拠に基づいた専門性が必要です。

以上5つの項目で腹圧の特徴をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。腹圧の変化についてわかりやすい動画をのせていますのぜひご覧ください。では、腹圧が高い理想のお腹はどんな感じなのでしょうか。

一番分かりやすいのは、赤ちゃんです。赤ちゃんは産まれてからボディビルダーのような筋トレを行ったことはなく、もちろん腹筋もシックスパックに割れていません。しかし、赤ちゃんは腹筋は弱いけど、腹圧があるから立って歩けます。うつ伏せハイハイや四つ這い(よつばい)の状態から、ちゃんとつかまり立ちができるようになり、やがてヨチヨチと歩き出すことができます。これは、腹圧がちゃんと身体を支えているからです。赤ちゃんは腹筋は割れていませんが、ポコッとお腹が膨らんでいます。これこそが腹圧が高い証拠です。

まとめ

スポーツや美容・姿勢、リハビリの分野でも体幹が重要であり、体幹を安定させる為に筋トレを積極的に行うといった話や指導を聞いたことがあると思います。しかし、筋トレとはアウターマッスルの筋肥大であり、アウターマッスルを積極的に使用している事と同じ意味です。また一流スポーツ選手の中にも、体幹を安定させパフォーマンスアップやケガを予防する為に筋トレを頑張っているのに、ケガをしてしまう選手もみかけます。さらに、整体などで肩に痛みがある時に肩を何度もマッサージしても良くならず逆に痛みが増加したといった場面に遭遇することもあります。大事なのは、膜組織の柔軟性と弾性です。身体を間違った知識で調整する施設や間違った健康情報が世間にあふれ、正しい知識の選択が難しい状況です。LIGHT SWELLは科学的根拠に基づいた正しい知識のもと健康増進・疾病予防を目指し、熊本県民の皆様が笑顔で自分らしく未来を生活できるように存在します。

お身体のことでお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

次回は、自律神経も含めた膜組織と神経の関係について投稿していきます。

ありがとうございました。

目次