いつも、LIGHT SWELLのブログを見ていただきありがとうございます。
痛みと身体の不調に特化した科学的根拠に基づいたコンディショニングを行なっているLIGHT SWELLです。
9回にわたり理学療法士である私が痛みのについてブログを投稿する痛みシリーズの第6回目となります。
第5回では、腹圧の重要性についてブログを書かせていただきました。日常生活の様々な要因が腹圧を下げてしまう可能性があり、不快な刺激やマッサージでも腹圧が下がり痛みを出現させてしまうということをお伝えしました。
今回は、自律神経を含めた膜組織と神経の関係ついて投稿したいと思います。
睡眠と自律神経の関係
2020年に東京で行われる予定だった研究の発表会が、コロナの影響でオンライン発表会に切り替わり楽しみにしていた東京に行けずに自宅から睡眠について研究した内容を発表したことを覚えています。そんな、得意分野でもある睡眠との関係についてお伝えします。
LIGHT SWELLでコンディショニングを行われた方たちから「とても良く眠れるようになりました!」という声を頂きます。前回もお伝えしたように、睡眠も身体にとって重要なリズムであり、自律神経が司るものの一つです。しかし、この自律神経が乱れてしまうと様々な不調が現れます。その一つが不眠です。
皆さんは自律神経にどんなイメージを持たれていますか?
痛みを感じたりする神経とはまた別に精神に影響するような幻想的な神経のイメージはないですか?瞑想をすると副交感神経神経が働き穏やかになる、気持ちが大事・・・そんなイメージ。
しかし、実際には自律神経は痛みを感じさせたり、運動をするために必要な神経と同様に、身体の中を縦に走っている神経です。さらに自律神経は脳や身体を良い意味の緊張感を与えてくれる交感神経と、気持ちをゆったりリラックスさせてくれる副交感神経神経があり、この2つの自律神経がバランスよく働いてくることが重要です。
結果的に、他の組織や神経と同様に、自律神経が身体のどこかで詰まっていたら、いくら瞑想を繰り返しても効果はありません。神経の詰まりの無い状態での瞑想は効果があると思います。
そして、膜組織が硬い状態が続くことで、身体も精神も緊張状態が続きます。むしろ、緊張状態が続くことで膜組織が硬くなっています。なので、その全身を包む膜組織が調整されることで、よりリラックスできます。また、身体がリラックスすると、脳内からセロトニンが分泌されて自律神経のうちの副交感神経が優位になります。血管の中を流れる血液の量も増えていきます。すると血のめぐり出した身体がほんのり温かくなってきます。
もともと人間の体は眠りに入る少し前から、手足などの末端に流れる血液に熱をのせて運び出し、身体の奥の温度を下げて脳をクールダウンさせ、入眠しやすくする仕組みをもっています。
LIGHT SWELLでのコンディショニングはリラックスして体内に血液がめぐりだすと、それと同じような効果が得られます。
また、セロトニンが分泌されることで、睡眠や覚醒のリズム(サーカディアンリズム)を調整され、眠りの質も高まります。
セロトニンつながりの話で言えば、リズム感覚はふさぎごみがちなうつっぽい気分が解消されるという報告もあります。
東邦大学医学部の有田秀穂教授の調査によれば、「セロトニンを活性化させる為には、呼吸やウォーキング、モノを噛む時の咀嚼などの各種リズム運動が有効であり、それらは気分の改善を確実に出現させる」ことが示されました。ガムを噛むことも立派なリズム運動です。有田教授の検証では、ガムを噛むという行為を20分程度続けていると、脳内のセロトニン濃度が高くなることが確認されています。噛むときは、強く噛まず、心地よいリズムを意識することがポイントです。
いずれにしても、リズミカルにリズム運動を行うことで、不眠やうつっぽい気分を軽減させます。
LIGHT SWELLでは、施設内の音響やアロマ、光などの環境を国内外の論文データや最新の知見をもとに、身体にとって良い感覚が入るように調整し、さらに専門的なコンディショニングにて身体のリズムの調整や適切な感覚の入力により、痛みや身体の不調を専門的に調整します。実際に、精神的に疲れストレスで辛いと話される方も身体の調整に来られています。ぜひ、科学的に根拠のある調整を行い大事なお身体を大切にしてください。
痛みは脳で感じている
おさらいになりますが、私たちの身体の表面や膜組織には感覚を受け取るセンサー(受容器)が無数に点在しています。そのセンサーは、外部から加わった刺激を電気信号に変換して、脳に伝えるシステムを持っています。皮膚や膜組織には、自由神経終末(じゆうしんけいしゅうまつ)という神経線維の末端があるのですが、その部分で痛覚や触覚、温度などの刺激を受け止めて、脳に伝える役目を果たしています。
私たちの筋肉の中には、膜組織に包まれた神経や血管が無数に通っています。腹圧が下がって膜組織がカチコチに硬くなってしまうと、膜組織がすべらなくなって動きがなめらかではなくなり、包まれている神経や血管も圧迫されることになります。さらに、その硬くなった部分を動かした時に、一緒に神経まで引っ張られて痛みを感じたり、硬くなった膜組織に圧迫され血流が悪くなることで、痛みを生じる場合もあります。身体も膜組織も、いつも柔らかく保っておくことが、長持ちする身体づくりには必須です。
思い浮かべていただきたいのですが、痛みや違和感がある時に、その部位を強く揉みほぐしたり、ストレッチしていませんか?痛かったら、揉む・ストレッチするという間違った情報により、神経や血管を圧迫させたり、引っ張られすぎて、より組織を損傷させることで痛みや身体の不調が増悪することもあります。やめましょう。
身体の不調を痛みとして拾うシステム
近年、痛みについて新しい説として、「新生血管」にまつわる考え方が医療界で関心を集めています。
新生血管とは、既存の血管から分岐して、新しく生成された血管のことです。外傷などが治癒する過程で、それまで血管がなかった部分にも血流を送ろうとして、身体に新たに血管を発生させるというシステムです。がん細胞なども、新生血管を作り出すことによって酸素や栄養を取り込んで増殖し、血流に乗って転移すると言われています。そして、その新生血管ができる時にはもれなく、血管に沿うように神経線維も一緒に伸びていきます。すると、神経線維が伸びる事で刺激を過敏に受け取ってしまい、新たな痛みが作り出されるのではないかという懸念もあります。
病気やケガは治ったのに、いつまでも痛みが続く。しかし、病院に行ってレントゲンを撮っても、「どこにも異常はありません」と言われてしまう。そんな慢性的な痛みの原因のひとつが、この新しく発生した微細な血管網、新生血管の影響だと考えています。
このように、人間はときとして体内の不調を痛みとして拾ってしまう場合があります。そうした負の連鎖を取り除くことが、健やかな生活のためにはとても大切です。ぜひ、腹圧を高めるためにも、膜組織を硬さをほぐし、血管や神経の圧迫を回避することが大切になってきます。身体を柔らかく保つ事で、脳で感じる痛みも減ってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。痛みや身体の不調と関係がある膜組織と神経の関係について軽くですがお伝えしました。良いと思っていた健康情報も科学的に判断すると間違っていたということはよくあります。健康増進や予防のために独立して、間違った情報が世間にあふれていることに驚いています。未来をあなたらしく過ごすためには、健康は絶対条件です。正しい知識で正しいコンディショニングを行い、健康な身体を手に入れてください。また、身体と精神はお互いに影響を与えています。ぜひストレスや精神面での不調を感じられている方も早めにご相談ください。
次回は、健康と生活習慣の関係性について投稿します。
ありがとうございました。