違いは、科学的根拠と熊本唯一の専門性

睡眠を考える①-睡眠とは-

皆さんこんにちは.

本日は、睡眠について考えていきたいと思います.

私は、以前リハビリの学会で他の先生方が歩行やバランスについて発表されている中、「睡眠について」発表を行い異様な空気になったことを覚えています笑

しかし、自信を持ってお伝えしますが、痛み改善や成長発達など人間にとって睡眠はとても重要なことなんです.

睡眠は、健康を手に入れる為には絶対必要です.

睡眠とは

まずは、睡眠についてのどのような生命現象であるか、どのような役割があるか理解を深めていきたいと思います.

睡眠は人間だけでなく、生物は全て寝ると考えられています.

一生泳ぎ続けるマグロだって、いつも飛び回っているハエだって、そして0.06mmほどのミドリムシだって寝ます.

そして、睡眠には以下の特徴があります.

①エネルギーの消費を抑える働き:これは食事との関係があります.食料を確保できない時間帯にエネルギーを使わない状態をつくる為です.夜行性の動物や冬眠する動物も食事とエネルギーの関係性からイメージがつきやすいと思います.さらに、エネルギー消費を抑える為に睡眠時は深部体温を下げます.眠たくなった時に、手や足などが温かくなりますが、これは、深部の体温を下げる為に末梢(手足)の体温を上げています.つまり、熱を内から外へ逃しているんです.

夏の夜や暖かくしすぎた部屋で眠りにくいのは、深部体温を外へ逃しにくい為だと考えられています.

②生命維持のための、刺激による覚醒:一定の刺激で目が覚めるように人間はできています.これは命を守るためだと考えられています.危機が迫ったら起きて逃げ出さないといけませんからね.しかし、このせいで不眠の原因となっています.痛みやストレスにより交感神経系の興奮が高まり、睡眠が不十分になり眠れなくなるという負のループを作ってしまいます

③リズムを整える:ライトスウェルでは、人間のリズムを整える事が重要ですとお伝えしていますが、睡眠もサーカディアンというリズムをもっています.これは、生命活動を24時間で調整する周期的なリズムのことです.また人間には体内時計が存在し、時計遺伝子というものも細胞内に見つかっています.その中でも、司令塔であるマスタークロックは脳内の視床下部視交叉上核(SCN)に存在します.ライトスウェルのリハビリ中にタオルで眼の周囲を包み込んで調整する事がありますが、これは眼球周囲の結合組織の調整だけでなく、このSCNへの感覚入力も意識しています.なぜなら、このSCNは子どもと比べて大人はマスタークロックとしての支配力が弱く、睡眠・覚醒のリズムが他の生体リズム(脳波や心臓・呼吸などのリズム)と比べ同調が外れやすいという特徴を持っているからです.

④ホルモンに対する影響:睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠が存在しますが、ノンレム睡眠で成長ホルモンが集中して分泌されます.もちろん、子どもだけに関係するのではなく大人にも成長ホルモンは重要です.成長ホルモンは、細胞の損傷修復、脂質の代謝、筋肉と骨の成長と脳神経系の発達に影響します.さらに、レム睡眠の状態では記憶の定着に影響をします.つまり、学習した内容を強化させるんです.テスト前は徹夜より寝ることを優先したほうが点数が取れますね笑

⑤認知症予防とストレスの緩和:睡眠は記憶の消去とも関係します.精神的なストレスなどは不要な記憶として脳が消去してくれます.ストレスも一種の不快な刺激なので睡眠は重要です.さらに、認知症の原因でもある脳内の老廃物(アミロイドβタンパクなど)を効率的に排出してくれます.この重要な脳内のシステムがよく説明させて頂いている「Glamphatic system(グランパティック システム)」です.最近、忘れっぽいなと感じたり、ストレスが溜まっていると感じたら、まずは寝ましょう!

まとめ

本日は第一回として、睡眠についてブログを投稿させて頂きました.

痛みで悩まれている方や小児発達リハビリの方もライトスウェルには多く来られています.

痛みが慢性化することで、痛みを常に感じるようになりストレスを感じたり痛みにより交感神経系の興奮性が高まり、睡眠の質が低下することがあります.また、子どもの発達にもホルモンなどの面からも、もちろん大きな影響を与えます.

睡眠に対する理解が深まり、お身体のお悩みとより向き合えるように、今後も睡眠についてはシリーズとして投稿していきますのでよろしくお願いします.

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